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» 2020年10月02日 07時00分 公開

鉄道業界で大流行の「SDGs」 背景に見える、エコテロリズムへの危機感杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)

東急で環境保護などをうたったラッピング車両「SDGsトレイン」が走り始めた。こういった取り組みが鉄道業界でも浸透し始めている。環境に配慮した車両は以前から開発されてきたが、あらためてSDGsを発信する背景には、環境保護を訴える若者などへのメッセージの意図がある。

[杉山淳一,ITmedia]

 9月8日、東急東横線でSDGs(エスディージーズ、持続可能な開発目標)トレイン「美しい時代へ号」が走り始めた。ステンドグラスのようなカラフルなモザイク模様をあしらった通勤電車で、ドア上には「Welcome to SDGs TRAIN!」、ドアと窓の間には「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS」と「この電車は再生可能なエネルギー100%の電力で運行しています」というメッセージが添えられている。

東急電鉄は「SDGsトレイン」の運行を開始(出典:東急グループ「SDGsトレイン2020」特設サイト)

 車内の広告スペースは 「世界の貧困を終わらせよう」「飢餓をなくそう」など、 SDGsを紹介するメッセージで埋め尽くされた。「日本人の7倍もの人々はきれいな水を得られない」という問題提起もある。コミカルなポスターが多いけれど、内容は清く正しく堅苦しい。しかし「きかんしゃトーマス」や、阪急電車、阪神電車などをあしらったポスターもあり、楽しさも演出する。

 色使いの効果もあり、楽しさを感じる空間だ。なんとなく「明るい未来を目指しましょう」という雰囲気を感じる。コロナ禍でやや鬱屈した気分が、ちょっと明るくなる。新しい形の企業イメージ広告だ。東急電鉄の広報資料には「阪急×阪神×東急が協働」「国や自治体・企業・市民団体等と連携して」とある。

東急電鉄 SDGsトレイン「美しい時代へ号」のデザイン。上から田園都市線、東横線、世田谷線(報道資料より)

 東急電鉄はSDGsトレインを東横線、田園都市線、世田谷線で各1編成ずつ運行する。阪急電鉄は神戸線、宝塚線、京都線で1編成ずつ、阪神電車は1編成を走らせる。デザインとメッセージの企画監修は「一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク」、協賛は「花王株式会社」「関西電力株式会社」「株式会社クボタ」「サントリーホールディングス株式会社」「積水ハウス株式会社」「株式会社大和証券グループ本社」「凸版印刷株式会社」「パナソニック株式会社」だ。外務省、環境省、国連広報センターが後援する。

阪急電鉄(上)と阪神電車(下)もSDGsトレイン「未来のゆめ・まち号」を運行中(報道資料より)

 ほぼ同時期の9月15日、西武鉄道も山口線で「SDGs×Lions GREEN UP! プロジェクト トレイン」を始めた。

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