6億人が旅行の中国「国慶節連休」、それでも売れる「巣籠もり家電」浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/5 ページ)

» 2020年10月08日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

武漢、チベットへの旅行者増

 ニューノーマルの旅行にはいくつかの特徴がある。1つ目は前述したように、オンライン予約・決済の浸透だ。中国は生活のさまざまなシーンで事前の段取りや調整がされない傾向にあるが、3密回避で事前予約が一般化し、国民のライフスタイルに大きな変化をもたらしつつある。

 2つ目は、武漢を中心とした湖北省への“応援旅行”の動き。世界で最初にロックダウンが行われた武漢市は官民共同で観光キャンペーンを展開している。1800年の歴史を持つ楼閣「黄鶴楼」は1985年の一般公開後初めて、夜間のライトアップを実施。湖北省の30カ所の観光施設の1、2日の入場者は前年並みののべ31万1000人、観光収入は前年比85.5%まで回復した。

 そして3つ目は、国民自ら「密を避ける」動きだ。シートリップによると、ミャンマーやインド、ブータン、ネパールと国境を接し、自然の民族色が豊かなチベット自治区のラサ市の、宿泊予約件数は前年同期比6倍に増えた。ツアーも少人数が中心だ。

 検索ポータル最大手のバイドゥ(百度)によると、9月28日までの1週間で、「国内旅行」での検索数は23倍に増え、「近隣旅行」「ドライブ」も増えた。一方で、「海外旅行」「ツアー」の検索数は大きく落ちた。

バイドゥ(百度)によると、検索増加があったのは「国内旅行」「近隣旅行」「ドライブ」、減少したのは「海外旅行」「ツアー」

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