ホワイトなのかブラックなのか。はたまた経営陣と現場の乖離が問題なのか。
社員への未払い残業代があったとして、居酒屋大手ワタミが労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、先週(10月2日)、この社員の記者会見が開かれ、「上司が労働時間を書き換えていた」という由々しき事実が明らかになりました。
ワタミといえば2008年6月、居酒屋で働いていた新入社員が過労自殺した際に、「労災認定の件は非常に残念であるが、労務管理ができていなかったとの認識はない」と、同社の創業者であり取締役会長の渡邉美樹氏が、自身のTwitterで発信し、物議をかもしました。
そのワタミのグループ会社「ワタミの宅食」で違法残業が発覚。問題になった正社員の女性(40代)は、「ワタミの宅食」の事業所の所長さんで、2カ所の事業所を任されていました。
報道によれば、今年7月18日までの1カ月の残業時間は、「過労死ライン」を大きく上回る175時間。女性は休日出勤も頻繁にしていて、この社員の上司にあたるエリアマネジャーが、社員が打ち込んだ出勤記録を改ざんしていたそうです。
また、女性は現在、精神疾患を患って休職中で、女性によると、同社は過去に過労死問題を起こしたため、このエリアマネジャーからは「ワタミは労基署から目をつけられている」などと聞かされていたとも報じられています。
会社側は改ざんした理由を明らかにしていませんが、もし、仮にもし、「労基署から目をつけられている」ことから逃れるために、“長時間労働隠し”があったとしたら、実に残念です。
そもそも、ワタミの宅食では、社員である事業所の所長さん1人が、宅配をする個人事業主の配達員十数人をマネジメントしているとされていますが、「1人の社員」に任せるというシステム自体にも無理があったのでないか。いわゆる「身代わり残業」の横行です。
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