マーケティング・シンカ論

あなたの会社に効く! 「セールステック」の探し方どこから手をつければいいのか(2/4 ページ)

» 2020年10月16日 08時00分 公開
[中山悠介ITmedia]

(2)自社の視点とお客様の視点

 「自社の視点」とは、何かのサービス/商材を販売するときに、営業部門が社内・社外で必要となる調整のレベルを指します。調整相手としては、社内では開発、製造、物流、調達、管理など、社外では仕入先や業務委託先が主となります。調整項目はいわゆるQCD(Quality、Cost、Delivery)と通称される品質、価格、納期などが中心です。

 このレベルを明確に定義できるものではありませんが、便宜上で3段階に区切ってみました。

 この分類は定義そのものに意味があるのではなく、自社の営業のあるべき姿を考える視点に過ぎないので、境界線があいまいなことはご理解ください。

調整型:個別の販売案件ごとに、複数の要素または関係者との調整が必要なもの

準・調整型:個別の販売案件ごとに、特定1要素または関係者との調整が中心となるもの

非・調整型:個別の販売案件ごとに、社内・社外ともに営業部門による調整が必要ないもの/調整ができないもの

 一方「お客様の視点」とは、お客様が法人であれ個人であれ、自社のサービス/商材の購入の意思決定をする上で必要となる検討のレベルです。

 こちらも明確な定義に意味はありませんが、自社の営業を考える視点として以下の3段階に区切ります。

即決型:お客様が自分の裁量で、かつ時間をかけずに購入を決められるもの

準・即決型:お客様自身が、(必要に応じて周囲への簡潔な相談も経て)一定の時間をかけて比較検討をすることで購入を決められるもの

承認型:法人のお客様であれば稟議等の機関決議、個人のお客様であれば家族会議などの承認プロセスが必要なもの

 「自社の視点」と「お客様の視点」を縦と横のマトリクスで営業戦略マップにすると、上図のようになります。

 各マスにはイメージをつかみやすくするために業種例を記入してありますが、同じ業界であってもビジネス戦略の違いにより企業ごとに異なるポジショニングを取ることや、同じ企業であってもサービス/商材やお客様カテゴリーが違えばポジショニングに幅が出てくることはお含み置きください。

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