マーケティング・シンカ論

あなたの会社に効く! 「セールステック」の探し方どこから手をつければいいのか(3/4 ページ)

» 2020年10月16日 08時00分 公開
[中山悠介ITmedia]

(3)戦略マップで勝ち筋を探す

 自社の営業が営業戦略マップのどこに位置するかを理解したら、次にそのポジショニングに有効な「勝ち筋」を考える必要があります。

 「自社の視点」×「お客様の視点」から考えて、自社の営業がビジネスという戦場で勝っていくための「勝ち筋」がどこにあるのか。この「勝ち筋」の特定こそが、セールステックと通称される営業支援ツールを使いこなすために必要な思考ステップです。ツールはあくまでも道具にすぎず、目的に応じて取捨選択しなければなりません。

 少ない文字数で全ての営業スタイルを語りつくすことはできないため、あえて議論を単純化させますが、営業戦略マップ上のポジションごとに有効な「勝ち筋」タイプとして以下が典型例として挙げられます。

勝ち筋(1)選ばれる仕掛け:低単価なサービス/商材を手離れよく多量販売していくタイプのビジネスに典型的に有効で、マップの左下(非・調整型×即決型〜準・即決型)にポジショニング。営業行為の前の集客行為の重要性が高く、営業行為においては集客した潜在顧客を高効率に刈り取る仕組みが肝要

勝ち筋(2)型化されたロールモデル:お客様と営業スタッフの個人的な関係性が形成されるタイプのビジネスに典型的に有効で、マップの左上(準・調整型〜調整型×即決型〜準・即決型)にポジショニング。段取り、提案、実行の各局面におけるプロセスを最適化し、そのプロセスを組織内に徹底させる仕組みが肝要

勝ち筋(3)スーパーセールスパーソン:高単価ながらも定型化されたサービス/商材を販売するタイプのビジネスに典型的に有効で、マップの右下(非・調整型〜準・調整型×承認型)にポジショニング。お客様の個別ニーズへの深い洞察や、個々に状況の異なるお客様への適切な提案構築などが必要であり、一人一人の営業スタッフの営業力強化が肝要

勝ち筋(4)オーケストラ:自社もお客様もそれぞれがチーム体制を敷くチーム対チームタイプのビジネスに典型的に有効で、マップの右上(準・調整型〜調整型×準即決型〜承認型)にポジショニング。社内・社外の関係者を適切に巻き込むプロジェクトマネジメント力と、中長期の営業期間で分岐する交渉シナリオを描出するための総合的なビジネススキルが肝要

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