ホームは地元のテレビで見て、次の段階でアウェーも見たいファンが球団・クラブのWebサイトに行くと見られる。時には、アウェーの試合やアウェーのユニフォーム姿も地元のテレビで流れる。そしてオールスターやプレーオフや他チームの試合など全部を見たくなるほどの熱心なファンになったら、JリーグにおけるDAZNのような中央集権的なものに入る――。
この3段階のうち、なるべく「無料で受動的」「チャンネルをまわしていたらやっていた」という「入り口」こそ重要だと思いませんか。地域やチーム、経営のフェーズなどによって考え方は異なると思いますが、実際にブロンコスにおいては、まず接点づくりのためにもっと地域で見られる環境を実現しないといけないと実感しています。
しかし、懸念するのは現状のBリーグが今回の業務提携でJリーグを完全に追随する状態になることです。
サッカーのイングランドプレミアリーグでは、18〜19年シーズンに優勝したマンチェスター・シティに約210億円、最下位(20位)のハダースフィールドにすら約134億円が放映権料として分配されました。米大リーグもしかりですが、それくらいの規模で資金が動くならリーグビジネスを推進するメリットは大きいでしょう。
しかし、Jリーグと全く同じ放映権の環境となり、“大先輩”であるJリーグをマーケットの規模でも放映権料でも超えられない構造が生まれ、クラブ経営に1億円程度の分配金という恩恵が限界となってしまうようなリーグビジネスに向かっていくようなら、親会社の大きいクラブが親会社からの資金によって経営を成り立たせる“親会社文化”から脱却することは難しくなるでしょう。
5〜10億円程度の分配が見込まれるような規模のリーグビジネスが実現できないならば、各クラブが個別に地域で切磋琢磨していくほうが今はまだ現実的だと考えています。リーグ任せではなく、各地域の状況に応じてバスケットボール自体の人気をつくっていくためには、各球団・クラブにスポーツビジネスとしての可能性を開拓する上で制限をあまり多くはつくらないほうがいいように私には思えます。
プロ野球とJリーグ、コロナ禍でより運営が厳しいのはどっち? カギを握る「コロナ回帰率」とは
ベイスターズ初代球団社長が語る、コロナ時代に必要な「変える力」とプロ野球生き残りの道
新型コロナで延期となった東京五輪 「無観客」でも分かれた各界の対応と問われる「スポーツビジネス」の本質
ここにきて、プロ野球以外でもIT企業が続々とスポーツビジネスに参入するワケ 「ITスポーツ第2世代」の狙いに迫る
テレワークで剥がれた“化けの皮” 日本企業は過大な「ツケ」を払うときが来た
話題の「社員PC監視ツール」がテレワークを骨抜きにしてしまう、根本的理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング