マーケティング・シンカ論

デジタルで「4P」はどう変わる プロモーションは「会話」が勝負? シャープやタニタのSNSが人気なワケ「新時代」のマーケティング教室(3/4 ページ)

» 2020年11月11日 05時00分 公開
[水越康介ITmedia]
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 例えば、企業アカウントの組織的な運用体制の確立や、アカウントポリシーの設定も重要になる。セガではSNSアカウント担当ごとの情報共有や、SNS利用について社内での研修も行われているという。また、キングジムでは、中の人が代替わりをしているが、引き続きの人気を博している。

 加えて、より具体的な運用方法として、特定の顧客と会話が長くなってしまわないようにすることや、企業と消費者だけではなく、企業アカウント間での会話を見せるという方法もある。今回紹介した企業アカウントは、Twitter上でよくお互いに会話している。一口に会話といっても、SNSに向いたやり方があるというわけである。

一般人の活用事例も増えてきた

 企業自身のアカウントに限らず、SNSには企業情報やブランド情報を広く発信し、拡散している一般の人々もいる。特に影響力のある人々はインフルエンサーと呼ばれ、InstagramやTwitterはもちろん、ブログであればブロガー、YouTubeであればYouTuberの中にそうした人々が含まれている。特に今日では、芸能人などもともと著名で影響力の強かった人々がYouTubeに次々と参入しており、テレビCMさながらの活動を行っている場合もある。

 ちなみに、インフルエンサーの力を借りる場合には、明示的に広告として依頼する場合と、彼らの自発的な行動を期待する場合がある。前者は通常の広告と変わりがないが、SNS上では、企業は特に後者の自発的な行動による情報の拡散が期待される傾向にある。なぜならコストも安くなり、さらにいわゆるパブリシティーと同じ効果が期待でき、信ぴょう性が高く、人々に受け入れられやすいと考えているからである。

 拡散されやすい投稿はさまざまなバリエーションが考えられるが、従来的な広告やプロモーションのアイデアは参考にできるだろう。

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