スーツに見える作業着は、なぜ3倍ペースで売れているのか水曜インタビュー劇場(水道工事公演)(3/5 ページ)

» 2020年11月18日 08時05分 公開
[土肥義則ITmedia]

リアル店は10拠点

土肥: なぜ、このように感じたのか。この9月に、東京駅の八重洲地下街に店舗を構えましたよね。初めてリアル店舗を構えて、想定の2倍ペースで売れている。そうなると、勢いに乗って「じゃ、次は新宿で。その次は渋谷で。そしてそして……」と拡大路線に突き進むのではないかと思っていまして。

八重洲地下街にリアル店舗を構える

関谷: いえ、そんなことは全く考えていません。いまのところ、リアル店は10拠点ほどかなあと。なぜ10拠点なのか。当社は「アパレル業界のアップルになる」というビジョンを掲げているんですよね。アップルの製品を扱っている「アップルストア」って、全国に何店舗あるのかご存じでしょうか。10店舗なんですよね。というわけで、ワークウェアスーツの店舗も10拠点ほどを考えています。

土肥: ちょ、ちょっと待ってください。失礼ながら、その話を聞いた読者は「この社長、大丈夫なの?」「要するに、“アップル信者”なのね」などと思われてしまいますよ。ビジネス誌で紹介しているので、なぜアップルストアの数をベンチマークにしているのか。戦略にからめて、お話していただけますか?

コロナ禍でも売り上げは好調だという

関谷: アップルって、時計メーカーではないですよね。PCをつくって、スマホをつくって、そして「アップルウォッチ」をつくりました。時計メーカーといえば、スイスに本社を構えているところが多いですが、その市場に専門外のアップルが参入しました。当初、さまざまな声がありましたが、スマートウォッチの市場でシェアトップですよね。

 個人的な話になりますが、以前の僕はたくさんの時計を持っていました。「今日は大切な商談があるので、これで」「オフの日は、これで」といった感じで、毎日のように違う時計を身につけていました。ただ、だんだん面倒になってきたんですよね。服を選んで、靴を選んで、時計を選ぶことに。そんな日々を送っているうちに、アップルウオッチと出会ったんですよ。デザインはシンプルなので、どんな服にも合う。というわけで、いまでは毎日アップルウォッチをつけるようになりました。

土肥: ふむふむ。

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