スーツに見える作業着は、なぜ3倍ペースで売れているのか水曜インタビュー劇場(水道工事公演)(2/5 ページ)

» 2020年11月18日 08時05分 公開
[土肥義則ITmedia]

5月の売り上げ、対前年同月比で11倍

土肥: 「スーツが売れない」状況が続いていますよね。ビジネスシーンでカジュアル化が進んでいることもあって、パリっとした背広を着る人が減っている。その傾向に拍車をかけるように、新型コロナの感染拡大を受けて、在宅勤務をする人が増えてきました。外出する機会がめっきり減ってしまったので、スーツを着る回数が減った人も多いのですよね。

 紳士服大手4社の業績をみると、それはそれは大変で軒並み赤字。店舗数を削減したり、従業員の数を減らしたり、あの手この手でなんとかこの難局を乗り越えようとしているわけですが、オアシススタイルウェアの「ワークウェアスーツ」は違いますよね。2018年3月に販売して、その後は3倍ペースで売れている。コロナ禍なので、他の紳士服メーカーと同じように「苦戦しているのかなあ」と思っていたら、5月の数字を見てびっくりしました。対前年同月比で11倍。一体、どうなっているのでしょうか?

関谷: 新型コロナの感染が広がるにつれて、僕たちも「これからどうなるのか?」よく分かりませんでした。ただ、3月ごろからジワジワ売れていって、緊急事態宣言が発令された4月になると欠品が続くことに。こうした事態を受けて、「もしかして、アパレルの世界に新しい時代がやって来るかもしれない」と思いました。どういうことか?

 コロナ前であれば、春夏秋冬の各シーズンに服を購入する人が多かったですよね。メーカー側もシーズンに合わせてトレンドを仕掛けていたわけですが、感染拡大によって状況が大きく変わりました。外出を控えて、家で仕事をする人が増える。結果、どうなったのか。機能性が高く、着心地のいい服を求める傾向が強くなってきたのではないでしょうか。

土肥: ワークウェアスーツはこれまでモデルチェンジをしていないですよね。意図的に「流行」とか「トレンド」に無縁だったわけですが、それが結果的に世の中の流れに合致したわけですかね。ただ、「スーツのような作業着が売れた!」となれば、「ライバルのアパレルメーカーに勝つぞー! そのために、さまざまなアイテムを出すぞー!」といったことを考えているのではないでしょうか?

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