名刺納め祭の流れはこうだ。まず参拝者をおはらいする「修祓」(しゅばつ)をし、神職が祝詞を奏上する「祝詞奏上」(のりとそうじょう)を行う。その後、みこが福を授けるという「副鈴」を振り、玉串拝礼へと移る。
神田明神 神職の岸川雅範氏は「今この状況下だからこそ、名刺を交換し合って対面で縁を結ぶということの大切さを身に染みて感じた方も多いのではないでしょうか。コロナ禍を超えて、皆さまで再び集まり、こうしたお参りができるようになることを心より願っています」とオンラインで参加する参拝者に向けあいさつした。
サービスの1つとして「オンライン名刺交換」を提供するSansanが紙の名刺の奉納を始めたきっかけは、「データ化した名刺をそのまま捨ててしまうのは気が引ける」という声があったからだ。
日本人にとって名刺は「出会いの証」でもある。その名刺をシュレッダーにかけるのは確かに勇気のいる行為だ。だが奉納するとなると後ろめたさを感じずに済む。例年は境内にスキャナーを設置し、その場で名刺アプリ「Eight」にデータを保存できるようにしていた。スキャンするためにイベントに参加していた人もいたという。
Sansan広報担当者は「出会いの場を大切にしたいという思いは、紙の名刺もオンラインでも変わらない。1年の締めくくりとして名刺を奉納し、新たな年のビジネスへの弾みとなれば」と話す。新型コロナウイルスによってビジネスにも大きな影響があった2020年。例年よりも名刺交換の数は減少したが、来年も良い出会いに期待したい。
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