日常会話の中でも感じることですが、話をしていて良い印象を受ける人もいれば、そうでない人もいます。交わされる会話が心地よいものだと、職場の雰囲気も良くなります。逆に、トゲトゲしくて不快な印象を与える会話だと、イヤな緊張感が漂ってしまうものです。
卒なく意思疎通できる人であっても、相手に与える印象が悪ければコミュニケーション能力が高いとは評価されません。一方、採用面接などで心地よい意思疎通ができる人には、採用後も職場の雰囲気を良くしてくれるだろうと期待が持てます。
コミュニケーションが上手だなと感じる人の中には、単に心地よいというレベルを通り越し、会話や表情、身振り手振りなどを通じて相手引きつけ、魅了してしまうような意思疎通ができる人もいます。営業職や広報担当者のような、外部接点の多いポジションはもちろん、人と接するあらゆる仕事シーンで武器となりうる能力だといえます。
面接官が引きつけられるほどであれば、採用後、その人は同じように職場や客先で接する人たちを魅了するのではないかという期待が高まります。面接官は、「ぜひこの人と一緒に仕事がしたい」と思うのではないでしょうか。
“印象”という要素を軸にすると、コミュニケーション能力は(1)から(3)へと、順に高く評価されることになります。そして、できれば(3)、少なくとも(2)の人を採用したい、ということになりそうです。
ここで気を付けなければならないのは、コミュニケーション能力の判断はあくまでその面接官個人の印象にすぎない点です。別の人が面接すると、違う印象を受ける可能性もあります。そこで多くの場合、一個人の印象だけで判定してしまわないよう複数人で面接する方法をとります。
例えば、3人の面接官が全員“心地よい意思疎通ができる”人だと評価したら、その応募者は他の人との間でも“心地よい意思疎通ができる”可能性が高いと判断できます。もし3人とも“人を引きつける意思疎通ができる”と感じるようであれば、コミュニケーション能力“抜群”と評価されることでしょう。
採用時にコミュニケーション能力の高さを重視することは、メンバーシップ型といわれる日本企業の特性と相性が良く、合理的だといえます。
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