次は、日産・三菱・ルノー連合である。思えば、日産とルノーの関係については、昨年からキナ臭い話が伝わってきていた。ルノーは、前CEOのカルロス・ゴーン被告が横領や背任容疑で逮捕される前から日産との経営統合を目指しており、日産側はそれに難色を示していたのだ。
今もルノー大株主がフランス政府がである以上、フランスの国益を優先する意向が働くのは自然なことだ。しかし両社はともにコロナ禍以前から業績が悪化しており、それに伴い両社の間から不協和音が聞こえてくるようになった。
これまで日産は、ルノーに多大な利益を提供していたからこそ、フランス政府はルノーとの統合を目指していたのであり、逆に足かせになるのであれば、統合はリスクでしかない。日産にとっては、統合の意向が薄らいだことは良いのかもしれないが、それよりも業績の悪化の方が深刻だ。
現在はルノーも日産も、当面の業績をどうやって改善させるか、10年後に迫った純エンジン車販売禁止をどう切り抜けるかという問題への対処が最優先だ。もっとも日産は、EVやシリーズハイブリッドでは他社をリードしており、純エンジン車の販売規制への対応では他社よりも有利だろう。
しかし日産の業績低迷を理由に見切りをつけて、ルノーが日産株を売り出す可能性もある。かつてフォードがマツダ株を徐々に売却して利益を確保したようにだ。日産とルノーの提携は、資本提携を解消した技術提携のみになっていくかもしれない。
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