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» 2021年01月20日 08時00分 公開

「週休3日」は本当に実現できるのか ネット上で評判が悪い理由“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)

[加谷珪一,ITmedia]

減給が伴う制度の場合、悪用されやすい

 だが、日本と比較すると欧州各国の生産性は極めて高く、経済的な余力が大きい。2018年におけるフィンランドの労働生産性(時間あたり)は65.3ドルと日本の1.4倍もあった。

 日本企業は1万ドルを稼ぐために、30人の社員を投入して7時間の労働を行っているが、フィンランドでは24人の社員が6.5時間労働するだけでよい。つまりフィンランドでは日本の4分の3の労働力で同じ金額を稼げるので、日本と同水準の豊かさでよければ、さらに25%ほど労働力を削減できる。この計算でいけば、理論上、週休3日も不可能ではないだろう。

フィンランドに比べて、日本の生産性は低い(出典:日本生産性本部)

 だが日本の生産性水準のままで労働時間を削減すると、ほぼ確実に企業の売上高が減少するため、利益も大幅に減ってしまう。仮に実現しても、大幅な賃金引き下げと引き換えになる可能性が高く、デメリットのほうが大きくなってしまうだろう。生産性という経済指標を使わなくても、多くのビジネスパーソンは直感的に「週休3日はムリ」と分かっているので、この制度は絵空事と考えているはずだ。

 一方、みずほが導入を決定した、週休2日をベースに休んだぶんだけ基本給を減らす制度については、すぐにでも実現できる。空いた時間は個人が自由に使えるので、学業に充てる人もいれば、副業に精を出す人もいるだろう。だがこの制度の最大の問題点は、運用について十分注意しないと人件費削減の手段に悪用されてしまうことである。

 建前上、希望者だけがこの制度を使う形になっていても、中高年など相対的に賃金が割高な社員や、利益率が低い部門の社員などを対象に、会社から事実上、週休3日を強要される事態が発生しないとも限らない。悪意のある企業の場合、全社的なコスト削減策としてこの制度を導入してくるだろう。

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