アイリスオーヤマの業績が非常に好調です。
「コロナ禍にあわせた商品を開発している会社だから売れて当たり前では?」と考えるのは早計です。コロナだから売れているのではなく、世の中の時流にあわせて組織を変革し続けているから伸びているのです。まさに時流適応型経営を実践している会社です。特に同社は「危機に強い会社」といえます。なぜアイリスオーヤマは危機に強いのか。危機を好機に変えるために経営者やリーダーはどのような発想や行動が必要なのか。
流通小売り・サービス業のコンサルティングを約30年続けてきているムガマエ株式会社代表の経営コンサルタント、岩崎剛幸がマーケティングの視点から分析していきます。
アイリスオーヤマの2020年度における業績は過去最高となりました。
アイリスオーヤマを含む29社のグループ総売上高が過去最高の6900億円と前年比138%の伸び率です。経常利益も621億円で、経常利益率9%という高い水準です。
単体でも2185億円と前年比135%の伸び率で、経常利益は270億円、経常利益率12.4%です。メーカーの営業利益率としてはダントツの高さです。これは、同社の主力事業になっている家電分野での大手メーカーの経常利益率と比較するとよく分かります。
連結経常利益額自体にはまだ差がありますが、経常利益率ではソニーと並び業界トップクラスの実績です。もちろんアイリスグルーブ全体の経常利益率ですから、家電以外も含めた数字ではあります。しかし、家電メーカー各社も連結の数字であることを考えると、アイリスグループの収益性の高さが光ります。
プラスチック加工の下請け企業としてスタートした同社が、なぜ家電メーカーと肩を並べる高収益企業になり得たのでしょうか。
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