花原社長は、阪神淡路大震災により被災した神戸で大学時代を過ごした。知り合いの親が震災で亡くなったことに影響を受け、地震に負けない家づくりがしたいと考えた。そして、1999年4月に大和ハウス工業に入社。その後、不動産に関するさまざまな課題を解決するには、大手ではなく規模の小さい会社のほうが向いていると考え、2016年10月にMARKSを立ち上げた。
当初は、これまでのノウハウや人脈を活用して土地の売買などを手掛けていた。そんなある日「事故物件を買ってくれないか?」と相談されたことがきっかけで、孤独死と不動産の関係に関心を抱くようになった。花原社長の母親が一人暮らしをしていたこともあり、孤独死を身近な問題として捉えていた。
国立社会保障・人口問題研究所が18年に発表した「日本の世帯数の将来推計」によると、15〜40年の間に65歳以上の男性の独居率は14.0%から20.8%に、65歳以上の女性の独居率は21.8%から24.5%にそれぞれ上昇する見込みだ。アパート、マンション、戸建て住宅で孤独死が今まで以上に発生する可能性がある。
一方、事故物件を流通させる仕組みは不十分なままだ。花原社長によると、事故物件のオーナーが具体的な情報を開示することに抵抗感を抱いたり、「事故物件でも気にしない」という人が情報を探しにくいといった課題があるという。また、事故物件の定義などについて法的にあいまいな部分があることも、流通の阻害要因だ。
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