「鬼滅の刃」は世界で通用するのか世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)

» 2021年03月04日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

アカデミー賞を受賞するのか

 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、第93回アカデミー賞長編アニメ映画部門にエントリーされた。27作品がエントリーされた中の1作品である。ただノミネートされるために、米国内の指定された地域の劇場で1週間の商業上映が必須条件となっていることから、フロリダ州で1週間だけ上演が行われている。

 またアカデミー賞を獲得するのには、5作品の最終ノミネート(候補)作品に残らなければならない。現時点で最注目の日本アニメ映画だけにアカデミー賞の行方も気になるところだ。

 実はこのアニメは、日本や海外ですでに賞を手にしている。2019年には日本の月刊誌『ニュータイプ』が主催するニュータイプ・アニメ・アワードで、作品賞を受賞したとエイジメディアが報じている。また20年には世界のアニメファンの投票で決まる米クランチロール・アニメアワード2020の最優秀作品賞にもなっている。

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 そして今回のアカデミー賞のエントリー。かつてアカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞している『千と千尋の神隠し』を超える記録を出している映画だけに、アカデミー賞の受賞を期待する声が出るのも分からなくない。ちなみに最終ノミネートの5作品が発表されるのは3月15日。4月25日にはアカデミー賞の受賞作が発表されるが、徐々に注目度が高まってきているのは間違いない。

 米国の有名エンタメ雑誌バラエティは、どの作品が最終ノミネートに残るのか予想を掲載し、『ソウルフルワールド』『ウルフウォーカー』『オンワード』『フェイフェイと月の冒険』『ザ・クルーズ: ア・ニュー・エイジ』を挙げている。デーモン・スレイヤーは6番手であるとしている。

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 こうした話題以外でも、デーモン・スレイヤーは海外で注目されている。例えば19年にNetflixで配信が始まってから、もっともリクエスト数の多いアニメの一つになったと海外でも報じられた。

 同映画は、すでに韓国や台湾で上映が始まっている。韓国ではかなり好調のようで、公開すぐに興行収入で1位を獲得している。オーストラリアやニュージーランドでの上映も始まった。これらの国では新型コロナの感染者数が比較的少ないので、映画館で多くの人が作品を見ると見込まれている。

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