年に1回、1日の休暇か1万5000円の手当かを選べる──「ワーク・ライフ・バリュー」を重視する会社の働き方CEOを直撃(3/3 ページ)

» 2021年03月05日 07時00分 公開
[人事実務]
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 「特徴としては、制度をたくさん作り、廃止するところでしょうか。スコアチェックを行い、課題に対して打ち手を打っています。そのため、施策が当該スコアと関係がなく影響がみられない場合はリソースを他に転換していきます」

 よくある例として、新制度を導入して、社員の満足度は高いものの、スコアには期待した改善が見られない、というパターンがある。同社でも以前、フィジカルやメンタルの指標改善を目的に、健康にかかわるいくつかの支援制度を導入したことがあったが、満足度の高さに比べ、スコアには変化が出なかったため、別の打ち手を考えることになったという。

 制度の頻繁な変更には社内の混乱も心配されるところだが、導入時に、何を目的とした制度なのか、また目的の達成につながらないと判明したら改廃もありうることを周知している。

 「組織戦略もミッション実現の手段ですので、そこにつながらない施策は無意味です」と沢木さんは言う。ミッションファーストの徹底はこのような面にも表れている。

 以上、同社の働き方について紹介した。コロナ禍もあり、自由出社となっている同社だが、テレワークでは補えないものもある。沢木さんは「それは、雑談などのコミュニケーションです。雑談は相互理解や帰属意識、アイデア創発に大きな影響があります。コロナ以降も在宅勤務は拡大すると予測していますが、オフィスの役割も残るはずです」という。個々の価値観を育てる「家」での働き方は、コロナ禍以降を見据えている。(1月6日取材)

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 本記事は『人事実務』(2021年2月号)「働き方改革の現場から」より「OKAN」を一部抜粋、要約して掲載したものです。

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