新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワークや在宅勤務といったオフィスに縛られない働き方が広がっている。
また、従業員が住む場所の選択肢も広がりつつある。例えば、人材紹介サービスなどを手掛けるパーソルキャリア(東京都千代田区)は、4月からリモートワークを行う社員が基本的に全国どこでも居住できる「フルリモートワーク制度」を開始する。
こうした中、新しい働き方に取り組む従業員を「食」の面から支援するサービスに注目が集まっている。
置型社食サービス「オフィスおかん」を提供するOKAN(東京都・豊島区)は2020年9月、「オフィスおかん仕送り便」のサービスを正式にスタートした。
このサービスは、食べきりサイズの総菜を、プランに応じて従業員の自宅に届けるというものだ。費用は企業が負担する。従業員に健康的な食事を提供したり、自宅で調理する負担を軽減したりするのが目的だ。
OKANがオフィスおかんのサービスを開始したのは14年3月。専用冷蔵庫・ボックス・料金箱をオフィス内に設置し、企業は電子レンジを用意する。従業員は冷蔵庫から食品を取り出し、1品当たり100円(税込)を負担する。それ以外の諸費用は企業が負担するという仕組みだった。
しかし、コロナ禍により在宅勤務が一気に普及したことで、従業員の健康状態を把握するのが難しくなった。また、企業と従業員の関係性が希薄化することを懸念する声が強くなった。そこで、OKANは在宅勤務によって発生するさまざまな課題を解決するために、仕送り便サービスを始めた。利用者からは「オンラインランチで社内の他のメンバーとの会話のきっかけにもなった。こんなアレンジが美味しいなど、会話が広がった」「料理時間の短縮につながり、仕送り便で家族とのコミュニケーションの時間も増えた気がする」といった声が寄せられている。
また、広報担当者によると、在宅勤務をする社員の支援だけでなく、全国各地に小規模な支社を持つ企業が利用するケースもあるという。本社ではオフィスおかんを導入しているが、従業員が1〜2人といった支社にも同様のサービスを提供するのが目的だ。また、とある企業が、全社員が参加するオンライン飲み会を実施するにあたり、単発で仕送り便サービスを利用したこともある。この会社は、コロナ禍のせいで全社行事の実施を見送っていた。オンライン飲み会で同じ総菜を社員に提供することで、一体感を醸成するのが目的だった。
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