シニア社員は65歳になった時点で、もう一度格付けされる。65歳以降は年金を受給しながら働く新たな局面に入ることや、健康面や体力面で個人差がかなり大きくなるなど、一人一人に適した働き方を考えなければならないため、65歳到達時に会社とシニア社員で面談を設け、仕事内容を見直し、再格付けを行う。
原則として、1等級ダウンさせ、勤務負荷を軽減することを標準的な運用ルールとしている。例えば65歳になるまでS−E2の格付けであったなら65歳の切替え時にはS−E1といった具合だ。
改革以前は、60歳から65歳に到達するまでに嘱託期間を満了する人は半数程度だったが、いまは途中でリタイアする社員はほとんどいないという。
「やはりプロジェクトを回す仕事は精神的にも肉体的にもタフな仕事ですから、65歳に達する前に、『もう十分やり切った』という気持ちを抱く社員も多かったのです。シニア等級によるやりがいだけでなく、プロジェクトマネージャーより負担の軽い現場作業のチェック業務などに仕事替えをしたり、在宅勤務やフレックスタイムなどを取り入れ、柔軟な働き方ができるようにしたりとさまざまな施策を打ち出すなかで、働きやすさが増したのだと思います」
シニア社員が働き続けるには会社から敬意をもって受け入れられることに加え、精神的・肉体的に続けられる自信をもてることが重要だ。
シニア社員の等級制度が“現役世代”のそれと連動しているように、評価制度や報酬制度も関連付けられている。
評価制度の設計にあたり、小林氏は当初「読み間違えをした」と振り返る。
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