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» 2021年04月15日 07時00分 公開

70歳定年を導入「ベテランのやる気を高める」企業 等級・報酬をどのように設定したのかNJSの事例(4/5 ページ)

[人事実務]

 「最初、一般的な目標管理を導入したいと考えていました。しかし自治体相手の仕事で、受注は入札次第という事業特性があります。それを個人の目標に落とし込むのが難しく、社員も自分の目標を立てるのが困難という事態となったのです」

 小林氏は現場の部所長を回って意見を求め、それをベースに評価制度を練り直し、あらためて「役割定義書」を基にした「行動評価」を軸にした新評価制度を構築した。

 シニア社員の評価も1年に1回、“現役世代”と同じ役割定義書を基に行われ、その評価が翌年の報酬を決める。前年よりも評価がよければ、それが昇給につながる。

photo 行動評価の考え方

月例給と賞与の比率を見直しリクルートにも有利に

 評価が反映される報酬制度も従来とは大きく変わった。少し長くなるが最初に“現役世代”を対象とする新しい報酬制度を説明し、続けてそれに関連づけられるシニア社員の報酬制度を述べたい。

 まず、報酬体系としては、C1〜C3とE1、A1〜A3の等級は「月給制」を採り、M1〜M2とE2〜E3は企業業績をより反映する「年俸制」を採用する。

 年俸制は「基本年俸」と「業績年俸」で構成される。基本年俸は12等分した額を毎月支給し、毎年4月に改定する。業績年俸は3月に支給する。基本年俸と業績年俸の比率はおおむね4:1。改革前に比べ、年間支給額はほとんど変わらないものの、基本年俸、すなわち月例給の比率を高くした。

 一方、月給制を構成するのは、基本給と管理職手当(E1のみ)、定額時間外勤務手当(C、Aのみ)であり、賞与が6月と12月に支給される。以前の月給制と比較すると年収ベースではほとんど変わらないものの、2つの点を改善した。1つが基本給部分と賞与部分の比率の見直し、もう1つが定額時間外勤務手当の圧縮だ。

 月給制も年俸制同様、月例給の割合を高めた。

 「もともと当社は賞与比率がかなり高い会社でした。問題は、たとえ年収ベースでは業界トップクラスであっても、月給にすると見劣りする印象を与え、採用で不利になってしまうことです」

 そこで、月給比率を上げ、賞与比率を下げた。定額時間外勤務手当も、従前の毎月50時間相当分から新制度では30時間相当分に減らした。その分も基本給部分が増えたことになる。

 報酬制度の刷新に当たっては、等級ごとの給与レンジも大きく見直した。改革前は賃金表の号数が100号までと非常に区分が多く、その結果、年功序列の色合いが濃かった。等級どうしで給与レンジの重なる幅が広く、場合によっては、等級が下の人のほうが上の等級の人よりも給与が高い状況が生じていた。

 そこで、給与レンジを見直し、等級同士の重なり幅を小さくするとともに、今までレンジのなかでは年次と比例して給与が増えていた状態を改め、レンジの中位置を過ぎると昇給額が鈍化する仕組みに変えた。つまり、上位の等級に早く上がらないと給与の伸びが鈍る設計だ。年功序列の色合いを薄め、昇格のモチベーションにつなげるのが目的である。

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