「一つは、イントラネットで取得者紹介の際に、『こうしたらいいですよ』という発信はあえてせずに、『この人はこうしました』という事実のみを伝えたことが奏功したのかもしれません。そこから本人へも問合せがあり、次第に認知や意識が広がったのだと思います」
また、ガイドブックを配布するに当たっても工夫した。ガイドブックはイントラネットにデジタルブックとして掲載したが、それと同時に、子育てのドキュメンタリー映画のオンラインチケットも希望者に全社員に配布したのである。
「ただガイドブックをみてくださいといってもみてくれませんが、ドキュメンタリー映画を見れば、子育て中でない人も子育て環境が分かり、江崎グリコの取り組みはどうなっているのか?とガイドブック見てもらいやすい。また映画の感想をイントラにあげてもらうようお願いしたところ、たくさんのコメントが寄せられ、「Co育て休暇制度」への関心は高まったと感じています」
こうした工夫に加え、「双方でコミュニケーションを図っていくこと、そしてそのときに対象者の気持ちになることを大事にしています」という姿勢が、成果がみえつつある秘訣だろう。また、イクメンアワードの受賞など、外部からの評価を受けるようにしたことも、社員のモチベーションや自信につながっている。
事業を通じて社会に貢献する。その創業の精神が、確かに連綿と続いている江崎グリコ。多くの企業や自治体、団体が、同社に続くことを期待したい。
(取材・文 江頭紀子)
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