中国のシェア自転車は、2016年ごろ突然勃興した。スマホのアプリから近くにある自転車を探し、ロックを解除して利用する。利用時間に応じて決済アプリから自動で支払いが行われ、好きな場所に乗り捨ててOK。ユーザーにとっては便利なことこの上ない。
北京大学発ベンチャーのofo(小黄車 )が“開拓”したシェア自転車市場には次々にスタートアップが参入し、17年に入ると北京、上海など主要都市には色とりどりの自転車が大挙投入された。
業界の2強だったofoとモバイク(摩拜単車)は16年末、それぞれ世界200都市に進出する目標をぶちあげ、モバイクは17年に福岡に日本法人を開設し、札幌で事業を始めた。対するofoは18年3月に和歌山に進出した。
だが、この頃すでに中国では、体力のない企業から倒産が始まっていた。各社は競合を潰して市場シェアを高めることを優先し、採算はその後に考えるという姿勢だった。
収入はシェア自転車の利用料のみだが、それも競争が激しいため上げられない。乗り捨てOKというモデルは、自転車の盗難や破損にもつながる。自転車の製造コスト、メンテナンスコスト、さらに放置自転車の移動や整理で赤字は膨らむ一方で、外部から資金調達できなければ即死する運営体制でもあった。
日本でも話題になったモバイク(摩拜単車)。オレンジ色の車体が目を引く(19年、筆者撮影)
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