マーケティング・シンカ論

インサイドセールス、コロナ後も必要? 可能性を探るヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス(6)(2/3 ページ)

» 2021年06月01日 07時00分 公開
[堤貴宏ITmedia]

 理由は、拠点を選ばないこと。基本的に、オンライン環境と携帯電話、PCさえあれば実務を行えます。

 昨今のリモートワーク化により、オフィスから遠い地域への移住や、観光地を巡りながら仕事も行うワーケーションも注目されていますが、インサイドセールスとそれらは非常に相性が良いです。

 また、時間のコントロールがしやすい面もあります。日中のどこか特定の時間のみ働くこともできますし、外的な要因で時間が強制されてしまうことが比較的少ない仕事です。限られた時間内で、成果を出せば良いのです。

 つまり、場所や時間の問題で、今まで営業職を選べなかった、もしくは引退された方でも、インサイドセールスでは活躍できる可能性が大いにあります。

 結婚、出産といったライフイベントにより、営業職を引退された方。ミュージシャンやクリエイターなど夢を追っているがまだ道半ばで、他に収入源が必要な方。家庭の事情などで住む場所に制限がある方……。

 フィールドセールスとして働くことは難しくても、インサイドセールスならばできる、という場合が多くあります。自分が持っている営業のスキルを存分に活用したり、潜在的な才能を開花できるかもしれません。

インサイドセールスの可能性(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 余談ですが、私はもともとミュージシャンでした。食べていくことが難しい時期にアルバイトをしていたことがあります。せっかく他の仕事をするのなら、そこでスキルを身に付けておけば、将来役に立つこともあるかもしれません。当時は、ミュージシャン以外の道は全く頭になかったので、そういった考えは持てていませんでしたが……ともあれ、インサイドセールスを経験することは、キャリアの選択肢を広げる意味でもオススメです。

細分化される=キャリアの選択肢が広がる、インサイドセールス

 インサイドセールス内での役割や手法も年々、細分化されています。

 SDR(sales development representative、引き合いに応える役割)、BDR(business development representative、新規開拓をする役割)、オンラインセールス、アウトソーシング、ハイブリッド型──複雑になってきていますが、それだけ企業によって適した型が違うということ。必要な機能が細かく分かれてきているのです。

 そして、それぞれの目的に応じて、業務を効率化するツールも登場しています。SFAやCRM、MAに加え、AIを搭載したツールや、会話内容を記録し分析するツール、オンライン商談ツール──その他、多岐にわたります。

 つまり、それぞれの機能で活躍できるプレイヤー、管理ができるマネジャー、ツールを扱える専門家が必要になります。

 インサイドセールスの中でも、ポジションが増えていく未来があると考えています。

 私は、32歳で初めて就職をし、当然ビジネスパーソンとしてのスキル不足に悩みました。その時期に、偶然ではありましたがSFA、MAに触れる機会が頻繁にあり、スキルを身に付けることができました。そのスキルは、後に私のその他のスキル不足をかなり補ってくれる武器となりました。SFAのシステム管理者を任せてもらった経験もあります。

 新しいやり方やポジションが増えていく分、未経験の方でも努力次第で活躍できる可能性が大いにある業界だと思います。

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