さて、日本でそこまで認知されていない618セールだが、20年は「コロナ禍からの消費の復活を占うセール」として大注目され、各EC企業もさまざまな施策を投入した。
これまでライブコマースの主力は若い消費者とKOL(キーオピニオンリーダー)だったが、コロナ禍で身動きが取れない企業経営者や農家も一斉にライブコマースを始め、ショート動画アプリの抖音(TikTokの中国版)と快手も、勝機とばかりに618商戦になだれ込んできた。
その反動で、21年はどうしてもネタ切れ感がある。独占禁止法違反で巨額罰金を受けたアリババの動向、デジタル人民元での決済を導入した京東など、気になる点はあれど、ほとんどの日本人読者にはかなりどうでもいいトピックだろう。
とはいえ、日々の売れ筋をチェックしている運営側から見ると、日本企業にもヒントになるような、注目すべき変化がいくつかあるという。
アリババ・ジャパンの広報担当者は、「カテゴリー別の売れ筋を見ると、私が知らないブランドばかりなんですよ」と話す(京東が始めたセールなのに、ここでもアリババに取材しているのは、京東の日本法人は事実上撤退してしまったからだ……)。
広報担当者が聞いたことがなくとも上位に並んでいる=人気、なわけで、つまり国産新興ブランドの台頭と、好みの細分化が起きているようだ。
この1〜2年は中国らしさを前面に出した「国潮」が流行っているが、上位に来るのはそういった民族系ブランドというよりは、どこの国のものか分からなかったり、性別を問わず使える「ボーダレス」「ジェンダーレス」なブランドだという。
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