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広告業界の風雲児、GO三浦崇宏さんに聞く「若手社員と信頼を築くためのマネジメント術」『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』【前編】(4/5 ページ)

» 2021年06月24日 08時00分 公開
[鳥井大吾ITmedia]
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部下への対応策は?

――部下と向き合うという点で、何か対応策はあるのですか?

 ぼくは基本に立ち返り、「1対1の対話」をすることが重要だと考えています。Webでもいいので最低30分間、部下やスタッフと仕事以外の会話をする機会を設けてはいかがでしょうか。10分間ではダメです。少ない時間だと人はごまかすからです。

 当社の場合、半期に1回、「1対1の面談」を30分間、メンバー全員と実施します。それも社内ではなくて外のカフェを使用します。

 オフィスだと、どうしても(経営者である)ぼくの空間になってしまうため、本心は話しにくくなってしまいます。だからあえてカフェを使うのです。席はできれば対面でない方がいいですね。横並びか、理想を言えばL字型のテーブルの角の2席に着きます。このくらい環境を整えないと本音は出てきません。さらに相手がリラックスして、本心を話してくれるよう語りかけることも大切です。

 日常の業務でもこれまで以上に言葉にして伝えることを心掛けています。例えばWeb会議では「ありがとうございます」「すみません」を、そのタイミングで必ず言うことにしています。小学校の標語のようですが、そんな当たり前のことが非常に重要になっています。気づいたことを溜めず、率直に言葉にして伝える関係づくりがコロナ禍ではより大切なんです。

――環境を整えることは重要ですね。ただ最近では、若手が会社に何も話さずに突然、退職する事例もよく耳にします。その場合はどうしたらいいのでしょうか?

 「1対1の面談」では無理に話す必要はありません。まず30分間、2人でカフェに居てください。すると相手の気持ちが分かります。目が合わなかったり、半身の姿勢になっていたりと相手の態度を見ただけで、その人の気持ちは何となく分かりますよね。

 コミュニケーションが言葉だけのものだと思わないでください。若手が話してくれないのではなくて、彼らがしているのは「話さない」というコミュニケーションなんです。恋愛のアドバイスで、「彼氏(彼女)からLINEが返ってこないんです」という悩みを相談されますが、その際に私は「(それは)“未読スルー”って返信なんだよ」と伝えます。「話してくれない」という返事をしているのだとくみ取らないといけません。

「1対1の対話」をすることが部下と向き合うことにつながるのだという

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