評価の在り方を再検討する――相対評価か、絶対評価か、ノーレイティングかニューノーマル時代のパフォーマンス・マネジメント(1/4 ページ)

» 2021年06月29日 07時00分 公開

 前回は評価制度の運用方法の中でも、期初の目標設定について、MBOやOKRといったパフォーマンスマネジメントツールの違いにも触れながらお伝えしました。今回は期末時の評価について、人事制度設計の観点から解説したいと思います。

photo 写真はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

最適な評価符号の階数はいくつ?

 企業の評価制度では、一定の期間ごとに社員の行動や成果を評価し、その結果に対して「A」や「B」といった評価符号をつけ、昇降給額や賞与支給額、昇降格といった処遇に反映することが一般的です。

 評価符号数は、90%以上の企業が3〜7に設定しています。奇数にする企業が多いですが、評価の中心化を防ぐためにあえて偶数にする企業もあります。

 評価符号の階数が少ないと、評価符号の違いによる処遇差が大きくなるため、ギリギリで一つ下の評価符号がついた社員の不満が大きくなります。一方で、評価符号の階数が多いと評価符号の違いによる処遇差が小さくなります。そうすると評価符号の違いによる実際の行動や成果の差も小さくなるため、社員に対する評価のフィードバックが難しくなります。

 評価符号数に普遍的な最適解はありません。評価制度の改定に際しては、評価差につけたい処遇のメリハリの大きさや、評価者のフィードバック能力を勘案しながら、最終的な評価符号数を決定していくことになります。

相対評価と絶対評価はどちらが優れているか

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