そこで、紙のお手紙を送付してから電話をしたり、問い合わせフォームからメールを送るといったことも行っていました。しかし、一定の効果はありましたが効率が良いとはいえませんでした。特に自社が有名企業といえるほどのブランド力がない場合は、手紙や問い合わせフォームから振り向いてもらうこと自体が難しいです。
会社名と役員の名前でメールアドレスを推測し、送付するといった手法もありました。一部の方には「ここまでしてくるなんてすごいね!」と言っていただき、アポイントを取得できるケースもありました。ですが、これはあくまでも“裏技”だといえます。
私は上記のような環境からインサイドセールスのキャリアを始めました。そのため、後にマーケティング組織があり、リードが供給される環境に移ったときに、本当に感動しました。「担当者の名前、メールアドレス、場合によっては部署や課題感まで始めから分かっているとは、なんて素晴らしいんだ!」と。
もちろん、インサイドセールス担当者が働きやすいだけではありません。ミスマッチが起こりにくいので、お客さまにより的確にサービスを案内することにもつながります。
しかし意外にも、このことを理解できていない組織をよく見かけます。
インサイドセールスがアポイントを取れないのは気合が足りないからだ、やる気がないからだ、数字に責任をもってどうにかして見せろ──そんな圧力を周りからかけられ、苦しんでいるインサイドセールス担当者と私は何人も出会ったことがあります。私自身も、そういった時期がありました。
繰り返しになりますが、そもそもリードがなければインサイドセールスは本来の効果を発揮することが非常に難しいです。
これからインサイドセールスの立ち上げを考える際には、既に一定数のリードを保有しているかどうかや、安定的に新規のリードが供給される仕組みが作られているかを確認しましょう。できていない場合は、先にそれらを整えることがオススメです。つまり、マーケティング組織を先に強化すべきだということです。
「待っているだけで問い合わせが来る」という状況は、既にブランド力があるサービスでない限りはなかなか難しいです。具体的に必要なマーケティング施策は、企業やサービスの特性、対象となる顧客層によってさまざま変わってくるかと思います。
その上で、マーケティングとインサイドセールスを連動させる施策をあらかじめ設計して実行することが重要です。
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