中国で“果実酒人気”が爆発、日本企業は「中国の女性」に訴求できるか?浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/6 ページ)

» 2021年07月01日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

 RIOは、10年代後半に低アルコールを中国で広めた立役者だ。若者受けするドラマのさまざまな場面に、商品を登場させたことで消費者に浸透した。

 2位のMiss BerryはRIOから独立した女性が立ち上げ、19年12月に最初の商品を出したばかりのスタートアップだが、「20〜30代の独身キャリアウーマン」を狙い撃ちしたマーケティングで、業界を席巻している。

 中国版インスタグラム「Red(小紅書)」の同社アカウントは、「仕事で追い込まれて余裕がない私に、女友達が差し入れしてくれた」などの文言とともに、緑豊かな自然を背景にした商品写真が投稿されている。

Miss Berryは19年12月に最初の商品を発売し、たちまち女性消費者の支持を得た(同社Redより)

 日本のビールや缶コーヒーCMのタレントがそのまま女性になり、焼酎ブランド「いいちこ」のポスターの世界観が加わったようなイメージ、と説明すれば伝わるだろうか……。

 スタートアップが瞬く間に天下を取れるような新たな市場の出現に、高級酒の代名詞「貴州茅台」や老舗白酒メーカーの「江小白」も同分野に参入した。Tmallランキング3位の梅見は、江小白が立ち上げた梅酒ブランドだ。

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