中国で“果実酒人気”が爆発、日本企業は「中国の女性」に訴求できるか?浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/6 ページ)

» 2021年07月01日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

日本の職人がつくったお酒が人気

 少子化で国内マーケットの縮小に直面する日本酒や焼酎メーカーは、以前から巨大市場である中国を重要視してきた。昨今の果実酒ブームは、日本メーカーにとっては大きなチャンスで、Tmallの担当者も「日本の職人がつくるお酒は中国消費者に大変人気がある。地域特産の果物を使ったお酒は、競争が激しい中国市場でも優位に立てるポイント」と見ている。

 この波に乗るべく、東京の「リカー・イノベーション」が運営する酒通販サイトの「KURAND(クランド)」は7月、Tmallに旗艦店をオープンする。

 同社事業企画部統括の東寛人氏は、「アリババでのテスト販売や中国のSNSでの情報発信で、現地の消費者の好みを探ってきた。梅酒のほか、ゆず、夕張メロンのような日本ならではの果実酒の人気が高く、Z世代の女性をメインターゲットに訴求していきたい」と話す。

 クランドは今年1月以降、中国の複数のSNSを通じてコミュニティー形成にも取り組んでいる。女性ユーザーが多いRedではお酒に合うおつまみのレシピやお酒を使ったデザートの画像を投稿し、ヤフー知恵袋のようなQ&Aサイトの「知乎」では、お酒にまつわる知識を紹介。

 知乎で制作したコンテンツを、中国版ツイッターの「ウェイボ(微博)」に引用して投稿するなど、ソーシャルメディアのユーザー特性に応じて、発信内容も変えている。

クランドは中国SNSのRedで、お酒の楽しみ方を紹介している

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