「いまやっている仕事をベースにしている人もいますし、もっている資格を生かしたり、過去の仕事の経験を役立てたりという人もいます」
副業に対する社員の関心は高い。キャリアデザイン・サポートの一環として開催している副業セミナーには150〜200人の受講希望者が集まる。Zoom開催という形式も受講の垣根を低くしているようだ。
講師は副業を仲介する人材派遣会社の担当者や、先ほどプロフェッショナル人材の受入れに積極的だと紹介した鳥取県の担当員等にも依頼している。
「一度自分を見つめ直し、多様な働き方のなかから副業という選択も考えてもらいたいと思っています」
副業セミナーはキャリア開発の視点が強いセミナーだ。また、もっと大枠のキャリアデザインのセミナーを受けてみて、副業に関心を抱いて副業セミナーを加えて受講するケースもあるという。
副業については、今後もさらに推進したいと大道寺氏は言う。
「現在は誰がどんな副業に就いているかは社内でも公開していません。上長が把握しているだけで、周りの同僚も知りません。しかし今後は、副業を経験してみてどうだったかを発信し、副業の機運を高めることも検討しています」
副業をキャリア開発の重要要素と位置付けるライオン。今後、出と入りの副業が働きがい改革をさらに推進させ、企業の成長につながるシナリオがどうなっていくのか、大変興味深い。(取材・文/大下明文)
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本記事は『人事実務』(2021年6月号)より「【特別リポート】社外経験を特別成長につなげる副業制度とライオン流の働きがい改革」を一部抜粋、要約して掲載したものです。
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