米国株取引、手数料ゼロ円で 初心者取り込むSTREAMの狙い(2/2 ページ)

» 2021年08月10日 11時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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運営コストを下げるための仕組みも

 1日1回の取引、また取引銘柄を絞るのは、ユーザーにとって分かりやすいというだけではない。STREAMにとって運営コストを下げ、サービス提供が「持ち出しにはならない」(宮川氏)ための仕組みでもある。

 ユーザーが出した注文は、STREAMとの相対注文となり、まとめて米国の取次先証券会社に接続する。現時点では売り買い注文のネッティング(相殺)は行わないものの、注文を集約することでコストを抑える。「銘柄を絞り1日1回の約定にすることで、米国市場に発注するときに、バラバラの発注にならず、バルク(一括)で注文することで手数料を下げられる」(宮川氏)

 日本株の取引では、ダークプールと接続することで手数料無料を実現したSTREAMだが、今回は通常の発注の流れながら、このような仕組みで手数料を無料を可能にした。

 また証券取引プラットフォームを他社に提供する「BaaS」事業を行っている同社にとっては、米国株も取り扱えることはプラットフォームとして武器の1つとなる。その意味では、STREAMは証券取引プラットフォームのショーケース的な意味合いもある。

 米国株市場の好調だけでなく、昨今の若者については日本企業よりも、アップルやグーグルといった米国企業のほうが実は身近に感じているという現実がある。宮川氏は、「米国株取引に関しては、銘柄の認知度と投資環境が釣り合っていなかった。国内株を取引しているユーザーの半分くらいは、米国株投資に手を伸ばして欲しい」と話す。

 スマホ証券で米国株を取り扱うのは、現時点ではPayPay証券(旧One Tap BUY)のみ。STREAMの米株対応で、スマホ証券にも米国株の流れが来るだろうか。

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