ファミリーマートと伊藤忠商事は8月19日、デジタルサイネージを活用したメディア事業を始めると発表した。全国のファミマ店内に大画面のデジタルサイネージを複数台設置。ファミマ商品の販促に加え、外部に広告枠を売り、収益を得るビジネスモデルだ。エンタメやアート、ニュース、地域情報なども音声付きで配信する。
両社は10月に、新会社を設立してメディア事業を始める(資本金は9億9000万円、出資比率はファミマが70%、伊藤忠が30%)。エリア別や時間帯別のターゲティング配信、サイネージの視認率、店頭での購買など広告効果の可視化は、伊藤忠とファミマが合計55%を出資している関連会社のデータ・ワンが手掛ける。
22年春までに、東名阪や沖縄など3000店にデジタルサイネージを設置し、3年以内に設置可能な全店舗へ広げる。将来的には店舗外への設置も構想している。設置費用や電気料金は新会社が負担するため、店舗が費用を負担することはない。
これまでに行った実証実験では、表示した商品の売り上げが伸びるなどの効果が見られたという。レジに並ぶ間に10〜20秒ほどデジタルサイネージを見ている利用客が多かった。
ファミマ代表取締役の細見研介氏は、米国のウォルマートが店舗内のデジタルサイネージで収益を上げていることにも触れたうえで、都市部で人を集められるのはファミリーマート店舗の利点だと説明。「コロナ禍で都市部の店舗の集客が落ちているが、こうした利点を新たなビジネスに展開していく」と述べた。
伊藤忠商事の執行役員・加藤修一氏は、「ファミリーマートの新たな成長戦略の大きな柱の1つになる」と意気込んだ。3年以内の収益化を目指す。
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