「休むことに抵抗を感じる人の多くは、経済的な損失に対する不安が根底にあるのではないかと考えます。そのため、当社では総合福祉団体定期保険と長期給与補償保険(Group Long Term Disability、GLTD)を運用しています。前者は社員の死亡時や高度障がい状態となったときに一時金が出るものであり、後者は病による所得減を補償する保険です。加えて社員が保険料を自己負担することで GLTDに上積みできるVLTD(Voluntary Long Term Disability)という制度もあります。当社では最長24カ月の私傷病休職制度があります。健康保険組合から傷病手当金の給付制度と合わせて、長期休職による経済的な面での補償制度を整備することで、療養への専念を可能にしています」
GLTDは条件を満たせば退職後も所得補償を継続できる仕組みだという。「根底に立ち返れば、会社と社員とは労働契約を締結し、社員は労働の対価として会社から賃金を受け取ります。ですから職務が全く遂行できなくなったときには、労働契約を解消せざるを得ないこともあります。経済的な不安から病であるにもかかわらず無理を押して働くことなく、きちんと療養に専念し、自身のキャリアを俯瞰的に見る。このように病の治療と就労継続の両立を後押しすることも会社の重要な役割ではないかと考えています」(二見氏)
本記事は『Works』167号(2021年8月発行)「病と不調をインクルージョンする組織とは」より「Case2 安心して“働き続ける”選択と、安心して“働かない”選択の両輪で支援/日本オラクル」を一部編集の上、転載したものです。
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