ジェンダーレス男子、タレント二世も起用NG。中国エンタメ界に吹き荒れる大統制浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/6 ページ)

» 2021年09月09日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

規制1)ファンによるタレントへの影響力を下げる

 中国当局は8月下旬と9月初めの2回に渡り、エンタメを規制する通知を発表した。まずインターネット行政を管轄するインターネット情報弁公室が8月27日、10項目からなる「ファン経済の無秩序の規律化に関する通知」を出した。大まかな内容は以下のようなものだ。

  • スター芸能人(グループ含む)のランキングを全てやめる。音楽、映画作品のランキングは、芸能人の姓名など個人の特定につながらない表現に限り許可する。
  • 音楽・映画のランキングは「いいね」「レビュー」などの比重を減らし、作品の方向性や専門性を重視する。ファンの数や金銭の力で順位を上げるような機能をつけてはならない。
  • タレント事務所の管理を強化する。プラットフォームは事務所のネットでの活動の管理責任を負い、アカウントの認証、コンテンツの内容、危機管理、ビジネスプロモーション、ファンマネジメントなどのルールを整備する。ファンをあおる行為やファン同士のトラブルなどはアカウント制限などの措置を取る。
  • ファングループのアカウント管理を強化する。タレントのファングループ、後援会アカウントはタレント事務所の認証がないと開設できない。
  • ファン同士の誹謗中傷、フェイクニュースの発信などを禁じる。タレントを応援するためにお金や人を集める、ランキングを上げる、ノウハウを共有する、タレントのスキャンダルを論じる、注目ニュースを拡散することなどを主な活動とするファンの掲示板は閉鎖する。
  • タレントの作品、グッズなどを販売する際に、ファン個人の購入数、貢献値などの数字を公表してはならない。購入数、金額のランキングや消費を刺激するプロモーション活動も禁じる。
  • インターネット配信番組での、お金で投票権を買う機能や商品を購入して投票する手法を禁じる。
  • 未成年がタレント応援のために消費をしたりファングループの管理人になることを禁じる。未成年を組織してオンラインイベントを実施するなど、未成年の通常の学習、休息を妨げるような行為は厳禁。

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