8月3日、テンセントの株価が一時10%下落した。同社の大ヒットオンラインゲーム作品「王者栄耀(Honor of Kings)」を名指しした、中国政府系メディア「経済観察報」による1本の批判記事が原因だった。
王者栄耀はこれまでも何度か国営メディアに「毒物」扱いされてきたが、株価を直撃したのは今回が初めてだ。これまでと何が違ったのだろうか。
テンセントの大ヒットオンラインゲーム・王者栄耀を名指しした中国政府系メディア・経済観察報による批判記事により、同社の株価が一時10%下落した。投資家は当面、国営メディアの論説に振り回されるのかもしれない(出典:「王者栄耀(Honor of Kings)」Webサイト)
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中国EV市場を盛り上げた立役者である米テスラを上回る勢いで、上汽通用五菱汽車の「宏光MINI EV」が売れている。カスタマイズバージョンの発表などさらなる快進撃を目指していたが、今月に入って上海市のEV普及政策の対象から除外され、販売が一時停止されるなど混乱が生じている。
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