そもそも王者栄耀は15年11月のリリース以来、何度となく国営メディアの標的にされてきた。
17年7月には人民日報が「王者栄耀が子どもの人生を壊している」との批判記事を掲載。小学生がゲームのヒーローの真似をして、高い所から飛び降りて重傷を負ったり、有料アイテムを買うために親のお金を盗むといった事件も発生していると糾弾した。
テンセントは批判を受けて、未成年のプレイ時間を制限。親のスマートフォンやIDで遊ぶという抜け道を防ぐため、18年秋には顔認証を導入した。その後も子どもがゲームをやりすぎないためのさまざまな措置を講じ、当局に目をつけられながらも、大事には至っていない。
テンセントの20年10-12月のオンラインゲームによる収入は391億元(約6700億円)だが、16歳以下のユーザーからの売り上げの割合は3.2%にとどまっており、未成年ユーザーの利用を制限しても業績への直接的な影響は少ないようだ。
スマートフォンは、中国でもオンラインゲームの重要なプラットフォームのひとつ
- 上場延期で衝撃、中国・アントを知る5つのキーワード
史上最大のIPOと注目されていた中国アリババの金融子会社アント・グループの上場延期が11月3日に発表された。ジャック・マー氏ら幹部3人が前日に金融当局の指導を受け、上場計画の見直しを迫られたことが理由だ。本稿ではアントの歴史や事業構造、今後の見通しなどを5つのキーワードからひも解いていく。
- 「6年前のM&A」でアリババに罰金、企業分割もちらつかせる中国当局の真意
アリババなど中国大手IT企業3社が12月14日、独占禁止法違反で50万元(約800元)の罰金を課せられた。いずれも過去のM&Aを当局へ申請しなかった点が問題視されている。世界ではGAFAへの規制が強まっているが、中国をデジタル大国に押し上げた立役者であるメガIT企業に対しても、同様に当局の姿勢が締め付けへと変化している。
- 米国のWeChat禁止令で「ファーウェイが伸びアップルが失墜」の可能性
トランプ米大統領が8月6日、「TikTok」のバイトダンス、「WeChat(微信)」のテンセントとの取引を、9月下旬から禁止する大統領令に署名した。TikTokは想定内だが、サプライズなのがテンセントだ。WeChatがアプリストアから削除されれば、iPhoneの出荷台数は25%以上減少するとみるアナリストもいる。
- トランプ後も制裁継続、世界巻き込む半導体戦争へ<ファーウェイの現在地・上>
米中貿易戦争の象徴となった通信機器大手ファーウェイへの制裁から2年。5G、スマートフォンの両方で動きを封じられたが、同社製端末の内部には日本企業製の部品が多く使われ、制裁は日本も含めた世界の半導体不足をも招いている。米中でなお繰り広げられている攻防と、手足を縛られたファーウェイの生存戦略を全3回に分けて紹介する。
- ジャック・マー氏“失踪”直前のスピーチ全文(前編)
2カ月余り公の場に姿を現さず、その消息がさまざまな憶測を呼んでいるアリババのジャック・マー(馬雲)前会長。2020年10月24日に氏が行ったスピーチが、中国の金融当局を批判し、習近平国家主席らの怒りを買ったとの説もあるが、実際の発言と大きくずれた報道も増えている。そこで、筆者訳のスピーチ全文を全2回に分けて紹介したい。
- 英が一転5G排除、中国ファーウェイに迫る次の「Xデー」
7月14日、英政府が5G通信網からファーウェイを排除すると発表した。欧州各国はアメリカによる同社排除以降、中国との関係を深めたが、コロナ禍で悪化した対中感情などが背景にあると見られる。また同社は2020年前半の決算を、英政府発表の前夜午後11時すぎにひっそりと発表しており、カナダで拘束中の孟副会長の2度目の審理日「Xデー」が近いともされている。
- EV販売世界トップ「宏光MINI EV」に政策変更の暗雲 〜上海市が優遇政策から除外
中国EV市場を盛り上げた立役者である米テスラを上回る勢いで、上汽通用五菱汽車の「宏光MINI EV」が売れている。カスタマイズバージョンの発表などさらなる快進撃を目指していたが、今月に入って上海市のEV普及政策の対象から除外され、販売が一時停止されるなど混乱が生じている。
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