面接時には、Amazonがグローバルに社員に求める16項目の「リーダーシップ・プリンシプル」に基づいて、候補者の考えや価値観を深堀りする。入社した時に、「その人が会社にもたらす多様性」を大事にしたいという考えがある。
候補者が「前職では、これだけ売り上げを上げました」という話をすれば、「どういう思いでビジネスを伸ばしたのか」「どのような価値観を持っているのか」を深堀りする。見えてきた人物像が、リーダーシップ・プリンシプルに合致するかを重んじて判断する。
応募者や入社する人に偏りが出ないようにするためには、さまざまな配慮が必要になる。配慮のためにさまざまな調査を調べるなかで、ある結果に注目したことがあった。
応募時のジョブ・ディスクリプション(ジョブ型雇用の社員の業務内容を明示したもので、採用時の求人票にあたる)が例えば10項目あった場合、女性は全項目を満たしていないと応募しない傾向にあり、男性は6つほど当てはまっていれば応募する傾向にあるというものだ。この点に配慮し、項目は必要最低限の数に絞っている。
また、言葉遣いの偏りも考慮する。「女性管理職」という言葉があるように、一般に女性のリーダーには性別を表記しがちだが、男性のリーダーを「男性管理職」とは言わない。「女社長」とはいっても、「男社長」には違和感が残る。組織を取りまとめる人の多くは男性である、という無意識の前提があるためだろう。
このことから、「リーダー」の語は無意識に男性を想定してしまうとして、アマゾン・ジャパンのジョブ・ディスクリプションでは他の表現に置き換えている。男性的な言葉と女性的な言葉をバランスよく使い、応募者が特定の性別などの属性に偏らないよう工夫しているという。
リーダーシップ・プリンシプルの1つに、オーナーシップという項目がある。働き方やキャリアを決めるのは社員本人であり、人事はあくまでサポートに回るという考え方だ。上田さんがアマゾン・ジャパンに入社したての頃、これに関して衝撃を受けたことがあった。
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