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» 2021年10月04日 08時40分 公開

興隆するHRテック市場で、採用テックがなぜ今注目なのか?(後編)(1/3 ページ)

海外では採用テックは採用のバリューチェーン(流れ)に沿って、CRM、ATS、オンボーディングという区分でさらに細分化されており、そこで製品もすみ分けがなされている。

[鵜澤慎一郎,ITmedia]

 まだ日本ではなじみがない言葉だが、海外では採用テックは採用のバリューチェーン(流れ)に沿って、CRM、ATS、オンボーディングという区分でさらに細分化されており、そこで製品もすみ分けがなされている。

photo 写真はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 CRMというと、多くの方はマーケティングの世界でスタンダードな“Customer” Relationship Managementを想起するであろう。概念的には全く同じだが、採用テックの世界では「カスタマー ≒ 応募者」と捉えて、“Candidate” Relationship Management(潜在的な応募候補者まで含めた広範囲の採用管理)と呼び、それに呼応したソリューションが存在する。端的には正式な応募前までの工程を指し、具体的には採用ブランディング活動や母集団形成にむけた多様なコミュニケーションを指す。

 代表的な製品として、ビジネスSNSとして日本でも浸透しているLinkedIn以外に、海外ではAppcast、Entelo、HiringSolvedのCRM特化型製品などが挙げられるが、日本独自製品はまだ黎明期の模様だ。

 次の工程はATS(Applicant Tracking Systems)と呼ばれるもので、正式な応募後に候補者を適切に管理するために、選考プロセスのトラッキング、レジュメや面談記録の管理、ダッシュボード機能やレポーティング機能など広範囲にわたる。おそらく採用場面で改善余地が大きい相当部分がここである。

 代表的な製品として、ATS特化型ではOracle TaleoやKenexa BrassRing、iCMISが主力であるが、近年ではCoreHCM(基幹人事システム)との連携性からSAP SuccessFactorsやWorkday のリクルーティングモジュールを導入する企業が日本でも増えてきている。日本独自製品でもHRMOSやJob Suiteなどが存在する。

 最後のオンボーディングとは、オファーが応募者に受託された後、正式な入社までをつなぐプロセスであり、Click Onboardingなどの特化型製品が海外では存在はするが、一般的にはコアHCM(基幹人事システム)と親和性の高い会社製品を選ぶのが一般的である。

 テストや面談という選考場面でも最新のテクロノジーを活用した製品が続々と登場している。以前から存在する大手アセスメントツール会社から出てきた製品以外にも数多くのスタートアップ製品が存在する。

 オンデマンド面談、ゲーミフィケーションを生かし、バーチャル上での論理的思考力を問うクイズ形式の選考や、プログラミングテストなどを提供するHireVueの製品は、日本でも活用が始まっている。日本独自製品も活発で、自己PR動画のAI解説結果を全応募者へ開示するHarutakaエントリーファインダーなどが出てきている。

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