現在まで、MCデータプラスには新規営業を行うフィールドセールスが存在しない。
「既に業界の中で利用されることが定着している。元請、一次請け、二次請けなどのやりとりの中でネットワーク効果が働き、積極的な営業を行わなくても成長が続いてきた」(同社 事業・プロダクト戦略部長 中川貴雄氏)
という通り、インバウンドでの契約が大多数で広告宣伝費もほとんど掛からない理想的な営業状況にある。
通常、SaaS企業の2大投資費用は人件費と広告宣伝費だが、先行者メリットから得られたデファクトスタンダードのポジションを生かし、非常に効率よく顧客獲得ができている。
同社が公表している売上高は35.9億円(2021年3月期)、従業員数は51名で単純計算、一人当たり売上高は約7000万となる。この点「業務委託人数が多く、それを含めると100名程度」(同社広報担当)ではあるものの、国内上場SaaS企業の平均一人当たり売上高である2000万円程度と比べると、非常に高い効率で事業を拡大できている。
将来の成長を考えれば、人材の先行投資が足りていないという見方もできるため「成長に対して採用が追いついていない」という課題の裏返しでもあるが、この規模感まで極めて少ない人数で事業を拡大できた点は事業性質のよさを表している。
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