転換期の採用領域 HRテックを活用すべき2つのポイントと、求められる4つのスキルオンラインシフトへの対応は(1/4 ページ)

» 2021年10月22日 05時00分 公開
[高橋実ITmedia]

 長引くコロナ禍により、人との接触制限や移動制限も長期化してきました。緊急事態宣言は全国的に解除になりましたが、コロナ前のような社会に戻れるかどうかは先行きが不透明な状況が続きます。

 採用活動も、多くの企業がオンライン面接やオンライン説明会など、オンラインを活用した採用手法への見直しを迫られています。対面型の採用を重視している場合でも、コロナ禍の長期化で採用手法をオンラインへとシフトせざるを得なかった企業も多いのではないでしょうか。

 エン・ジャパンが実施した「オンライン面接実態調査」によると、43%もの企業がオンライン面接を導入している結果も明らかになっています。「オンライン面接は評価が難しい」という声がある一方で、導入した企業の7割が実施に満足しているとの結果も出ていおり、オンラインでの採用活動は感染防止につながるだけでなく、これまで選考対象にできなかった遠方の求職者でも対応ができる点など、多くの企業がメリットを感じているのが分かります。

出所:エン・ジャパン「オンライン面接実態調査

 この状況を見る限り、コロナ禍以降もオンライン採用は進んでいくと思いますが、手法を確立し、成功している企業はまだ少ないように感じます。単純に対面型の選考手法をオンラインに代替しただけの企業は多く、まだメリットを活用しきれているとはいいがたいのが現状だと思います。

HRテックは「魔法の杖」ではない

 採用のオンライン化が一気に進んだことで、採用分野でのHRテック活用ニーズも高まってきたように感じます。これまで導入が進んでいなかった企業でも、本気で活用を検討し始めている企業も多いようです。

 しかし、対面を重視した「人が介在するのが前提」で成り立っている採用手法を、先述のようにオンラインへそのまま代替しただけでは、HRテックを導入しても効果を上げるのは難しいのではないかと思います。例えば自社で、以下のようなやりとりは行われていませんか?

「この間面接したAさん、どうだった?」

「うーん、前向きな姿勢は悪くないんだけど、うちの会社のやりたいこととAさんのやりたいことはズレているというか、うちの会社にとってベストではないんだよね」

「そうか。僕はいいと思っていたんだけどなあ。最終面接官のBさんも同じようなことをいっていたし、Aさんは採用見送りかな」


 このように「面接官の感覚」で採用の合否を決めている企業もまだ多くあります。ロジックがあいまいで「人が介在するのが前提」になっている採用手法だと、せっかくのテクノロジーも活用しきれないことは明白です。

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