決済手数料に悩む加盟店が、逆に決済手数料を受け取れる アララキャッシュレスの逆転の発想金融ディスラプション(2/3 ページ)

» 2021年10月28日 07時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 アララが業務提携を予定している業界大手のバリューデザインと合わせると、導入企業は約1000社、店舗数は約10万店舗、年間決済額は約1兆円に上る。d払いの取扱高が2020年度で8100億円なのを考えると、こうしたハウスプリペイド市場がかなりの規模感になっていることが分かる。目立たぬ、キャッシュレスの大手なのだ。

 アララキャッシュレスを導入する店舗のメリットの1つは、手数料の低さだ。アララの楠木康弘キャッシュレス事業部長は「1%を切る」としており、一般的なキャッシュレス決済に比べて業績への影響が小さい。

アララの楠木康弘キャッシュレス事業部長

 キャッシュフローが改善するのが2つ目のメリットだ。クレジットカードやコード決済では、顧客が利用したあと数日から1カ月後に店舗には決済金額が入金される。一方で、ハウスプリペイドでは、顧客が事前に入金をする形なので、決済に使われる前からキャッシュが入ってくる。

 割引キャンペーンなどの自由度も高い。PayPayなどは大規模なキャンペーンを定期的に行うが、店舗側からするとキャンペーンに「乗るか、乗らないか」という選択しかない。さらに、ハウスカードならば、キャンペーンでポイントなどを追加還元しても自社店舗でしか使えないので、来店促進にも効果がある。

キャッシュレスサービス比較。手数料は最も安く、キャンペーン自由度が高いことが特徴だ(アララ資料より)

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