近年、日本でもジョブ型雇用の導入を目指す企業が増えている。雇用制度は主に、欧米ではジョブ型雇用、日本ではメンバーシップ型雇用を採用している。
賃金制度も同じく日米で異なっており、欧米系はジョブに基づいた職務給を、日本は人を基準とした職能給(能力給)を採用しているといわれている。たとえ話として「欧米系の職務給は机に、日本の職能給は人に値札がついている」とかみ砕いて説明されることも多い。
私は長い間人事コンサルティングの仕事をしてきたが、この考え方は全く当てはまらないと思っている。むしろ米国の賃金の方が日本よりも属人的で職能給の傾向が強いのではないかとさえ思う。
職能給とは職務遂行能力に応じて賃金を設定する仕組みである。つまり優秀な職務遂行能力を発揮している者ほど高い賃金となり、低い場合はそれ相応の賃金にとどまるのが基本である。つまり能力のレベルによって賃金は異なるということだ。
日本の職能給は、この基本に基いて運用されているのだろうか。米国は職務給といわれるが、能力の要素がないのだろうか。この点を考察してみたい。
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