10月下旬、アリババ関係者は「今年のダブルイレブンでは11日、12日の恒例イベントをやめるかもしれない」「販売額を発表しないかもしれない」と口にした。
実際にセールに参加する中国人消費者とは違って、日本人にダブルイレブンの盛り上がりを伝えるために必須の要素だった数値が出ないなら、今後の記事では「昨年●●億元を売り上げた中国最大のセール」と書けなくなるし、メディア側にとっても大問題だ。
実際、11日になっても「0時45分までに382ブランドが売り上げが1億元を突破した」といった部分的な実績しか公開されず、いつものお祭り騒ぎは消えた。
国営メディアは「静かで理性的なダブルイレブン」と肯定的に評価したが、明らかに異常事態であり、11日深夜になって「異常な静けさ」「一時代の終わり」という記事を公開するメディアも出てきた。
中国メディアの「晩点LatePost」によると、アリババは2021年の販売総額を公表するかどうか、11日夕方の段階でも「協議中」と態度を明らかにしなかった。日本人の筆者でも早い段階から「販売額は公表しないかもしれない」と聞いていたくらいだから、中国では相当根回しがされていたのだろう。
例年のように数字を発表するイベント自体が開催されていないし、12日になってもアリババの公式サイトや広報は沈黙したままだった。だが、0時を回ると中国メディアが一斉に「Tmallの今年の販売額は5403億元」と報道し始め、1時すぎにリリースも出た。静かで盛り上がらないといわれても、20年の4982億元を上回り、過去最高を記録した。
中国メディアの報道後、アリババからも今年の販売額が過去最高の5403億元と発表された(出典:アリババの11月12日付けプレスリリース)
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