転換期迎えた中国の「自粛のダブルイレブン」、それでも販売額は過去最高浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/5 ページ)

» 2021年11月12日 12時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

「過去最高」が義務付けられたダブルイレブン

 ダブルイレブンは米国のサイバーマンデーのようなネットショッピングの大祭典……ではあるのだが、「中国経済の成長」を国際社会に示す役割も担ってきた。

 10年代後半に入ると完全に定着し、ECチャネルを持つほぼ全ての企業が参加する国民的イベントとなったが、中国経済の象徴であるダブルイレブンのマンネリ化は許されず、毎年、「今年の目玉」「トレンド」「過去最高のGMV」が求められてきた。

 その期待に応えようと、アリババは「社長ライブコマース」や「不動産の値引き販売」と話題を作り出し、新興ECの拼多多(Pingduoduo)はiPhoneの値引き幅で関心を集めてきた。

 19年ごろからは「販売額もそろそろ頭打ちだろう」との観測が出てきたが、コロナ禍による巣ごもり消費という追い風もあり、アリババもほかのプラットフォームも、20年はさらに売り上げを伸ばした。

ダブルイレブンが始まった10月20日、アリババグループの最高マーケティング責任者の董本洪(ドン・ベンホン)氏は、「持続可能、公共の取り組みを促進」していくと述べた(出典:アリババの10月20日付けプレスリリース

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