ダブルイレブンは米国のサイバーマンデーのようなネットショッピングの大祭典……ではあるのだが、「中国経済の成長」を国際社会に示す役割も担ってきた。
10年代後半に入ると完全に定着し、ECチャネルを持つほぼ全ての企業が参加する国民的イベントとなったが、中国経済の象徴であるダブルイレブンのマンネリ化は許されず、毎年、「今年の目玉」「トレンド」「過去最高のGMV」が求められてきた。
その期待に応えようと、アリババは「社長ライブコマース」や「不動産の値引き販売」と話題を作り出し、新興ECの拼多多(Pingduoduo)はiPhoneの値引き幅で関心を集めてきた。
19年ごろからは「販売額もそろそろ頭打ちだろう」との観測が出てきたが、コロナ禍による巣ごもり消費という追い風もあり、アリババもほかのプラットフォームも、20年はさらに売り上げを伸ばした。
ダブルイレブンが始まった10月20日、アリババグループの最高マーケティング責任者の董本洪(ドン・ベンホン)氏は、「持続可能、公共の取り組みを促進」していくと述べた(出典:アリババの10月20日付けプレスリリース)
- 楽天の国内年間流通額の2倍、「独身の日」を支えるアリババの最新技術
中国最大のECセール「独身の日」で、アリババのECサイトは今年4982億元(約7兆7200億円)の取引額を記録。楽天の国内年間取引額の2倍に相当する注文・決済・配送需要が2〜3週間に集中する同セールを乗り越えるために、さまざまな技術がアップデートされてきた。ここでは、2020年のセールを支えた最新技術を紹介する。
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も耳にしたことがあるだろう。では「618セール」はどうか。そもそも知られていない「618セール」だが、「中国の消費の成熟を示す新しいトレンドが出てきて面白い」と聞いたため、自身の情報収集も兼ね、今年のトレンドを紹介する。
- アリババ「独身の日」セール、2020年は期間4倍 〜「ニューノーマル」で構造見直し
世界最大のECセール「独身の日」が中国で始まった。売上高を更新し続ける同セールだが、インタネットやEC人口は頭打ちで、構造改革を迫られていた。ここでは、セールの歴史をおさらいしつつ、コロナ禍の「ニューノーマル」が、構造の見直しに好機となっている今年の動きを紹介したい。
- 6億人が旅行の中国「国慶節連休」、それでも売れる「巣籠もり家電」
中国で「国慶節」の8連休が10月1日に始まった。昨年の同連休では、旅行者数がのべ7億8200人、国内観光収入が6497億1000万元(約10兆円)だったが、コロナ後初となる今回の大型連休で、旅行と消費の動向が注目される。また家電セールも好調だ。
- ジャック・マー氏“失踪”直前のスピーチ全文(前編)
2カ月余り公の場に姿を現さず、その消息がさまざまな憶測を呼んでいるアリババのジャック・マー(馬雲)前会長。2020年10月24日に氏が行ったスピーチが、中国の金融当局を批判し、習近平国家主席らの怒りを買ったとの説もあるが、実際の発言と大きくずれた報道も増えている。そこで、筆者訳のスピーチ全文を全2回に分けて紹介したい。
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