ローソン、冷凍食品のメニューを拡大 ラーメンなど12品目追加で、売り上げ5倍を目指すメニューを拡大する「2つ」の理由とは?(2/3 ページ)

» 2021年11月25日 18時45分 公開
[熊谷紗希ITmedia]

冷凍食品市場実態は?

 同社の商品本部長の藤井均上級執行役員は、メニュー拡大の背景について「新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、長期保存が可能で手軽な冷凍食品のニーズが高まっている。品質の高いメニューを増やすことで、ローソンがよりお客さまの日常に溶け込んだ存在になれるよう力を入れていく」と説明した。

 メニューの拡大はもちろん、容器を付けることで、レンジで温めてすぐに食べられる即食ニーズや、健康志向に注力した商品、国産原料にこだわった定番品の改良など、消費者の新しいニーズに対応していく。

12品目の新商品

 総務省の「家計調査 冷凍調理食品」によると、2人以上世帯における冷凍調理食品の年間支出額は2020年には8787円となっており、19年(7818円)と比べて約12%増となった。また、日本冷凍食品協会は、冷凍食品の国内生産推移金額を発表。19〜20年にかけて、業務用と家庭用冷凍食品の生産推移が逆転していることを示している。

冷凍食品市場は今後も拡大していく(画像:発表資料より)

 コロナ禍だけでなく、共働き世帯の増加や時短ニーズ、冷凍技術の向上に伴い、同社は今後も冷凍食品市場の拡大が見込めると考えている。同社が現在販売する冷凍食品は約110種類。売り上げ状況を見ると、20年度は前年比109%、21年度は同115%と安定して成長していることが分かる。

 「既存ニーズの取り込みはできていると感じている。今後は新商品の開発や新しい需要を取り込んでいく」(藤井氏)

ローソンの冷凍食品売り上げの詳細(画像:発表資料より)

 同社は、25年に冷凍食品の売り上げを20年と比べて5倍にすると宣言した。15年から20年で2倍以上に伸長させた実績はあるものの、少々難しいチャレンジに思われる。どのように実現していくのだろうか?

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