クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

全固体電池は、なにが次世代なのか? トヨタ、日産が賭ける巻き返し策高根英幸 「クルマのミライ」(1/4 ページ)

» 2021年12月06日 07時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

 日産自動車が2030年までの長期計画の中で、今後5年で電動化技術に2兆円を投資し、28年にも自社開発中の全固体電池を搭載するEVを発売する計画を明らかにした。

 その資金調達や、今から7年も先の商品計画の具体性に疑問を持たないわけではないが、全固体電池を自社で開発しEVに搭載して発売するという計画は、かなりのインパクトを感じさせる。

日産が2030年までの長期計画「Nissan Ambition 2030」で発表されたコンセプトカーに採用する未来のEVプラットフォームである「日産EVテクノロジービジョン」。写真:日産

 だが、そもそも電池の開発は電池メーカーや研究機関の仕事で、自動車メーカーが開発するモノなのだろうか、と思われる方も多いのではないだろうか。

 しかしトヨタも全固体電池の開発には、かなりのリソースを注いでいる。かつてトヨタの豊田章男社長は、全固体電池を自動車産業界のゲームチェンジャーになり得る材料だとも表現した。

 それほどまでに期待が集まる全固体電池だが、パワーワードとして独り歩きしている感も否めない。DXなどと同様、トレンドワードに躍らされ過ぎな傾向もある日本において、全固体電池に期待し過ぎるのは危険ではないのか、考えてみたい。

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