東と南を太平洋に接する北海道十勝にある大樹町は、「世界で一番ロケット打ち上げに適した場所」――。こう語るのはホリエモンこと堀江貴文氏だ。同氏が創業したインターステラテクノロジズ(以下、IST)は現在、大樹町の立地を生かして、ロケットを開発している。
既に観測ロケット「MOMO(モモ)」の打ち上げは複数回にわたって成功した。2019年5月には「宇宙品質にシフト MOMO3号機」が打ち上げられ、日本の民間ロケットとしては初めて宇宙空間に到達している。21年7月3日に打ち上げられた「ねじのロケット(MOMO7号機)」と、7月31日に打ち上げられた「TENGAロケット(MOMO6号機)」は2回連続で成功し、次の局面である超小型人工衛星を搭載できるロケット「ZERO」の本格開発を進めている形だ。
この“宇宙に最も近い場所”といえる大樹町から北に約60キロ、十勝地方の中心都市である帯広で11月、宇宙開発をテーマにしたカンファレンスが開催された。その名は「北海道宇宙サミット2021」。ISTや大樹町などが主催したイベントで、国内の産官学の宇宙開発関係者が一同に集まり、宇宙開発の未来について話し合った。
ITmedia ビジネスオンラインは堀江氏に単独インタビューを実施。なぜ今、ロケットの民間開発が必要なのか、そして何が一番の課題なのか。その問題点を聞いた。
――堀江さんは2005年から民間の宇宙開発ビジネスに関わり始め、そこから開発拠点や発射拠点を、全国を巡って模索してきました。11年以降は大樹町に拠点を定め、民間による人工衛星打ち上げを主な目的として活動しています。私たちの日常生活で今やGPSが不可欠な技術になっているように、人工衛星の需要は今後も伸びていくのだろうと肌感覚では理解できるのですが、具体的にどのような分野で需要が伸びていくと思いますか。
何だろうな……そういう質問がくる時点で、人工衛星についての理解がまだまだ進んでいない感じがすごくします。別に悪い意味で言っているわけではありません。実は全く同じような質問を、インターネット黎明期の1996年ごろにインターネットの文脈で受けた取材でもされた記憶があります。それがデジャビューとしてよみがってくるんですよね。その時は、「インターネットって、今後どういう分野で使われていくんですか?」という質問でした。
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