これほど有能なMAを使いこなすには、条件があります。MAが見込客に発信する情報は、企業が用意しなければなりません。そこにはデジタルマーケティングの3要素が不可欠です(図表5)。
1つ目が、コンテンツの充実です。展示会・セミナーの開催案内やレジュメのデータ、新商品情報、導入事例やお役立ち資料を定期的に制作する必要があります。
次に、制作したコンテンツを使って、自社ホームページの内容を充実させます。ただホームページに載せただけでは見込客に見てもらえないので、SEO(検索エンジン最適化)を施します。その成果として、掲載情報がグーグルなどで検索した際に上位表示されるようになれば、見込客に見てもらいやすくなります。
そして3つ目の要素が情報発信の強化です。メール配信やメールマガジン、ブログ、グーグルの検索連動型広告などを活用して、情報発信を強化します。
これら3要素をバランスよく実施しながら、MAを活用します。
デジタルマーケティングでは、何が顧客のアンテナに引っ掛かるか分からないので、試行錯誤しながらPDCAを回し続けていきます。そうした地道な活動によって、図表3における「顧客自ら検索して情報収集」する時点で、自社の製品・サービスの存在を知ってもらえるようになります。
デジタルマーケティングやMAのシステム導入のような分野は、必ずしも営業部の得意分野とは言えません。
マーケティング部があれば、そこが主管部署となりますが、そういう部署がなければ、自社ホームページの担当部署や、各種システムの構築・運用を担う部署に積極的に関わってもらえるような土壌づくりが必要です。
紹介にしろデジタルマーケティングにしろ、ぜひ非営業部署の強みを再評価し、その強みを新規開拓に活用できないか検討してください。そして、非営業部署が積極的に参加する組織営業で、ライバル社が苦労する新規開拓にまい進していただきたいと思います。
株式会社売上UP研究所 代表取締役/中小企業診断士
法人営業を営む企業を対象に、永続的な売上UPに向けた営業力強化の仕組みづくりを支援している。デジタルマーケティングの手法をホームページで公開。
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