クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

今年読まれた記事と、全力で止めたい超小型EV「C+pod」池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/4 ページ)

» 2021年12月27日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

褒めてしまった超小型EV「C+pod」

 で、ランキングを眺めつつも、これは乗る前にクルマを褒めてしまった筆者の責任としてもう一度書いておかなくてはならない。それは3位に入ったトヨタの超小型EV「C+pod」についてだ。余談だが大事なので少し長くなる。

 先日、このC+podにようやく試乗する機会があった。車両コンセプトとビジネスプランは記事に書いた通り極めて理想的だったが、クルマの出来はちょっと前代未聞に酷かった。これは絶対に買ってはいけない。全力で止めたい。

トヨタが法人ユーザーや自治体などを対象に限定発売する超小型EV「C+pod」

 厳しいかもしれないが、運動体として、クルマ屋のブランドから出して良いものではない。自動車産業の550万人の一人として赤面する。デザインがイケてないのは最初から分かっていたし、それはそれで個人個人が許せるかどうか決めること。ここはまあ言うまい。

 だが、加速も減速も曲がることもダメで、真っ直ぐ走る部分についても粗がないわけではない。もうどこから書こうかというくらいである。

 内装の安っぽさは、想定通りで、それはまあ良い。ポジションとシートはTNGA世代のトヨタ車と比べさえしなければ、ちょっと迷いつつも合格点を出せる。

 走り出すと、ボディの剛性はとんでもなく高い。そこはゴルフカートの類いとは違う。なかなか経験したことがないほどにガッチガチだ。おそらくこの外寸で衝突安全をトヨタ水準にしようとした結果、ボディ剛性も一緒に上がってしまったと思われ、ここはもの凄い技術力を感じた。しかし褒められるのはそこまでだ。

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