2021年の外食産業は、前年に続いてコロナ禍に翻弄された1年だった。22年にはどこまで回復するか、予測は困難だ。
消費者の外食に対する感染リスクへの警戒心がいつ解けるかは不明だが、業界関係者の間では「少なくとも3年はかかるのではないか」という声が強い。
そのうえ、牛肉をはじめとする食肉の価格高騰「ミートショック」の影響が広がっている。また、食用油、小麦粉、大豆といった汎用性の高い食材や、輸送に使うガソリン価格の高騰により、多くの店で値上げを余儀なくされるとみられる。需要が減退している状況での値上げは顧客離れを招くリスクが高く、22年の外食は原料高に苦しめられそうだ。
外食の業界団体である「日本フードサービス協会」(東京都港区)が公開したデータによれば、21年1〜10月における外食の売上高で、前年同月比が20年を上回ったのは4〜7月の4カ月のみで、残りの6カ月は下回った。12カ月のトータルでは、ほぼ前年並みの売り上げで着地する模様だ。
同協会の推計によれば、20年における外食産業の市場規模は約25.3兆円で、コロナ禍前(19年)の約33.5兆円から24.5%も縮小した。およそ4分の1もの売り上げを失ったのだ。自粛による時短、休業の影響がいかに大きかったか。
なお、コロナ禍前の19年は、18年の約32.9兆円よりも1.9%成長していて、外食が決して不振だったわけではない。
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